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KLASSE通信 第12号 2022/2/11

藝高合格おめでとう特集

今年の藝高入学試験に、昨年に引き続き二人の生徒さんが合格しました。 昨年の合格者のお二人に答えていただいたものと同じ質問に、答えていただきましたので掲載いたします。


入試のスケジュール (12月23日に、通常二日間かけて行われる実技試験を、一日で行うと発表がありました。) 2021年9月9日 課題曲発表※ 1月19日 翌日の呼び出し時間の発表 1月20日 ピアノ実技試験 A課題、B課題 1次合格者発表 1月23日 音楽科目試験 1月24日 学科試験 面接 1月25日 最終合格者発表

※2022年課題曲



今回初めての試みとして、当教室では受験生だけを対象とした弾き合い会を、11月3日、11月23日、12月12日、1月3日にいつものレッスン室で行い、1月5日には川口リリアの音楽ホールで練習を行いました。


質問に答えてくださったのは以下の二人です。 私の思い出とともにご紹介します。 Aさんは2015年(小学2年の終わり)にはじめていらっしゃいました。私の小学校の後輩で、勝手に親近感を持っていましたが、はじめは何を聞いても姿勢を正してニコニコとしていたので、その反応の後ろに隠れた本心を探りながらのレッスンでした。もともと自然な音楽を持っていてやわらかい雰囲気のある子でしたから、コンクールでもそれなりに評価されていましたが、ある時自分ひとりの力で譜読みしていないことが私にバレて、それからはお母様に家での練習に付き合わないでいただきました。お母様としては、自分が力を貸してあげればもっと早く正確に譜読みできるのに、本人の成長のためと、相当な我慢という努力をしていただいたと思います。その頃は本番までに仕上げが間に合わないということが続き、なかなか良い結果が出せないでいました。もう気持ちが腐っちゃうかな? というところぎりぎりで、東京藝術大学のアカデミーに合格し、久しぶりに他人に評価していただけて、もともと好きな音楽を自分の意志で続けていこうという決心がついたのではないかと感じています。それからは身体と心の成長とともに、自分の耳で判断して練習したり、本番の気持ちのコントロールをしたりと、いろいろな課題を一つずつクリアしてきました。これからものびのびと音楽を楽しみながら成長してほしいと思います。 (課題曲選択) モシュコフスキー:1番(自己選択)、5番、6番(当日抽選)、11番 ショパン:10-3 スカルラッティ:ニ短調 ベートーヴェン:7番 Bさんは2018年(小学5年)にレッスンにいらっしゃいました。強い推進力を持った音楽の運びが得意で、生き生きとした明瞭な音質は、誰にもまねできない輝きがあります。はじめの頃は打鍵、音階、アルペジオ、チェルニーを主にレッスンしておりましたが、次第にコンクールに追われるようになり、なかなか落ち着いて基礎にとり組む時間が取れなくなってしまいました。あまり譜読みは早くありませんが、正確に読むこと(広い意味での正確)は得意で、本番に合わせて曲を仕上げるエネルギーと集中力は感心するものがあります。最後まで学業と両立させながらピアノに取り組んでいましたし、海外のコンクールにも積極的に参加してしっかりと成績を残せるのは、底力のなせる業だと思います。にもかからわず、いつも自分の演奏や自分の練習に対する自己評価が謙虚で、常に理想を高く持ち、より良いものを目指して努力できるので、これからも自分に自信をもって思いっきり音楽に取り組んでほしいです。 (課題曲選択) モシュコフスキー:6番(自己選択)、2番、5番、12番(当日抽選) ショパン:10-6 スカルラッティ:ニ短調 ベートーヴェン:7番


【幼いころのこと、または全般】

ピアノをはじめたきっかけを教えてください。

Aさん 小さい頃から歌が好きで、家にアップライトピアノがあったので弾くようになった。

Bさん 習い事のひとつとして始めた。


藝高を目指すようになったのはいつですか。きっかけは何ですか。

Aさん 小5くらいから藝高に行きたいというのが1つの目標だったが、中3の夏に改めて、これから自分が何になりたいのか考えたときに、藝高を受けようと決めた。

Bさん 中学生になり将来のことを考えたとき、音楽をこれからも続けたいと思ったこと。


勉強との両立で工夫したことは何ですか。

Aさん 家ではピアノの練習をして、学校の登下校と休み時間を使って勉強をしていた。

Bさん 授業でなるべく多くのことを理解するように心がけたこと。


どのようなことに気を付けて練習しましたか。

Aさん 本番緊張しても、失敗しても、自分の音楽や表現がなくならないようにした。

Bさん まだ出来ていないことを明確にするようにしていた。


【課題曲(9月中旬)が出てから試験まで】

学校にはいきましたか。

Aさん 2学期までは学校に行って、3学期は休んだ。

Bさん 1月から試験までは全て休んだ。


練習時間は平均何時間でしたか。

Aさん 平日は3〜4時間。休日は7〜9時間。

Bさん 日によって差があるが、平均4〜5時間くらい。


どのようなことを心がけて生活しましたか。

Aさん ・常に笑顔でいること。 ・食べたいものは食べること。(なるべくストレスを溜めないように)

Bさん なるべく前向きな気持ちでいること。


学科試験の対策はどのようにしましたか。

Aさん ・過去問を2年分解いた。 ・数学と国語は塾に通ってた時のテキストを使った。 ・英語は範囲の基礎問題を解いた。

Bさん 過去問を解いたり、基本的な内容の復習をした。


ソルフェージュの対策はどのようにしましたか。

Aさん ・藝大ジュニア・アカデミー ・毎日練習後に聴音をした。 ・楽典問題108集を2回解いた。

Bさん 過去問を解き、わからないことを無くすようにした。


初見視奏、新曲視唱の対策について、 おすすめの教材などがあったら教えてください。

Aさん 小さい頃の弾いてない曲や、ヤマハのピアノ初見練習曲集を使って練習した。

Bさん ヤマハのピアノ初見練習曲集を使った。


入試のために利用したコンクールや本番練習の機会を教えてください。

Aさん 髙橋先生の弾き合い会、ピティナ・ピアノステップ、アカデミーの試演会、全日本ジュニアクラシック音楽コンクール、ホールを借りる。

Bさん ピティナ・ピアノステップ、日本クラシック音楽コンクール、髙橋先生の弾き合い会など。


併願校はどこですか。

Aさん ・東京音楽大学付属高等学校 ・地元の普通校

Bさん 他の音楽高校の予定だったが、藝高に受かったので受けなかった。


当日落ち着いて演奏するために、気を付けて練習したことは何ですか。

Aさん 本番出る前の深呼吸、いつも本番前にしているルーティンをした。

Bさん 座る位置などから毎回気にするようにして弾くこと。


前日はどのように過ごしましたか。

Aさん ピアノを弾きすぎず、弾かない間はダラダラ過ごした。

Bさん いつも通りの流れで過ごした。寝る時間も変えないようにした。


入試で一番苦労したことは何ですか。

Aさん ・試験期間が長いので、体調を崩さないようにすること。 ・今回の入試では、1日で全ての曲を演奏したので、集中力を切らさないようにすること。

Bさん 自分に自信を持つこと。


【試験中】

試験会場の響きとピアノの状態を教えてください。

Aさん A会場…響くわけではない。ピアノは軽い。 B会場…とても響く。ピアノは軽い。

Bさん A会場…思っていたよりは響いた。 B会場…とても響く。鍵盤は軽めだった。


面接で何をきかれましたか。

Aさん ・試験はどうだったか。 ・中学校の魅力は何か。 ・学校の生活面で頑張ってることは何か。 ・藝高生のライバルとどう関わっていくか。

Bさん ・試験全体を通して何を感じたか。 ・電車が遅れた場合でも遅刻しないための対策はあるか。 ・得意科目と苦手科目はそれぞれ何か。 ・同級生や、上級生とどのように関わっていきたいか。


持っていくと良いものはありますか。

Aさん カイロ、手袋、ハンカチ、ストップウォッチ、お守り。

Bさん ハンカチ、ティッシュ、時計、防寒道具。


【実技試験の流れ】

前日に試験日の集合時間が発表 当日時間までに控室に到着 呼び出されて試験曲のくじを引いて練習会場で40分練習 (スタインウェイとヤマハの2台があり、好きな方を弾いて練習して良い) 練習後そのまま本番会場Aに移動すると、前の人が弾いている 入室 係りの人が受験番号を試験官に伝えてくれるので、自分はお辞儀をして演奏するだけ 試験官は5人くらい 演奏後、係の人の案内で会場Bに移動すると、前の人が弾いてる 会場Bは楽章によってはカットされ演奏する 演奏終了後はそのまま帰宅


お忙しい中、たくさんの質問に答えてくださってありがとうございました。

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