KLASSE通信 第14号 2023/2/11
藝高合格おめでとう特集 東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校の入学試験に一人の生徒さんが挑戦し、合格いたしました。質問に答えていただきましたのでご紹介いたします。 入試のスケジュール 2022年9月12日 13:00課題曲発表※ 1月19日 翌日の呼び出し時間の発表 (ピアノ科44名受験) 1月20日 ピアノ実技試験 A課題、B課題のどちらか 1月21日 ピアノ実技試験 A課題、B課題のどちらか 1次合格者発表 (ピアノ科16名合格) 1月23日 音楽科目試験 1月24日 学科試験 面接 1月25日 最終合格者発表 (ピアノ科12名合格) ※2023年課題曲
質問に答えて下さったAさんは、小学4年の終わりにはじめてレッスンにいらっしゃいました。もともといろいろな曲がすらすらと演奏できる子でしたが、私は手の形がずっと気になっていて、はじめのころはずっとレッスンの半分はつまらないことばかりを教えていたと思います。自然な歌心もあり、いわゆる「変なこと」をしないところには、たくさん助けられましたが、レッスンで何か一つ直すと、その時の「言葉」をずっと覚えて練習に取り組むので、結局良い感じに向かっても、その良いところを通り越してさらに逆のところまで行ってしまうことがありました。私のせいで自然な音楽が失われないようにするには、どのような声がけをすれば良いのかと、試行錯誤したのは、今では遠い思い出です。 (課題曲選択) バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第1番 ハ長調 ドビュッシー:「ピアノのために」より「トッカータ」 ベートーヴェン:ソナタ 第16番 【幼いころのこと、または全般】 ピアノをはじめたきっかけを教えてください。 Aさん CASIOのキーボードを一歳過ぎからおもちゃにして遊んでいました。 それから母に教わるようになりました。子供向けのコンサートなどが大好きでよく連れて行ってもらっていました。コンサートが終わるとショックで泣き叫んでいた子だったそうです。笑 藝高を目指すようになったのはいつですか。きっかけは何ですか。 Aさん 小学生の頃は藝高なんて行ける訳ないじゃんと思っていましたが、KLASSEの先輩達が藝高に行っているのを知って具体的に考えるようになりました。 中学3年間コンクールに沢山挑戦して少しずつ自信をつけました。 どのようなことに気を付けて練習しましたか。 Aさん とにかく本番に沢山チャレンジしました。コンクールだけでなく地元のピアノマラソンなどの行事に積極的に参加し、演奏の機会を増やしました。 また、小さい時からお話を作るのが大好きだったので曲を聞いたときに絵を書いたりお話を作ったりしてその風景を楽しみながら弾いていました。 【課題曲(9月中旬)が出てから試験まで】 練習時間は平均何時間でしたか。 Aさん 平日が4〜5時間、休日が6〜7時間やっていました。 1セットを90分として休憩を挟みつつ練習しました。 人間の集中力の限界が90分らしいのでこの時間設定にしています。 毎日、(受験期間以外も)練習と生活の記録をつけています。 その日の課題を次の日に解決できるようにしています。 どのようなことを心がけて生活しましたか。 Aさん 睡眠時間を多くとったり、お風呂屋さんにいってリラックスしたり、脳を休めることを心がけました。 心配だったことはありますか。 Aさん コロナやインフルエンザが心配でした。あと怪我に気をつけました。 駅などの階段は手すりのそばを歩くようにしました。 学校の体育の球技は休んだほうがいいです! ソルフェージュ、初見視奏、新曲視唱の対策について、 おすすめの教材などがあったら教えてください。 Aさん ソルフェージュは、和光楽器のソルフェージュ教室に行っていました。 視唱は普段から歌が好きなのでその流れで練習していました。 視奏は、家にある簡単な楽譜を初見で弾いてみました。 入試のために利用したコンクールや本番練習の機会を教えてください。 Aさん 日本クラシック音楽コンクール、Kピアノコンクール、ソナタコンクール。 当日落ち着いて演奏するために、気を付けて練習したことは何ですか。 Aさん 練習はじめに、本番のつもりで録音をしながらパッと通す練習をしました。 何があっても通して弾ききる訓練と緊張感に慣れるためです。 あと今年はバッハのフーガがあったので各パートを暗譜で四声一段ずつ楽譜に書けるかをやりました。 前日はどのように過ごしましたか。 Aさん 11月くらいに予約していた秋葉原スタジオノアで夜8時くらいまで練習しました。 あまり沢山練習しすぎないようにしました。 家が遠かったので、上野近くのホテルに泊まり、お風呂に入ったりごろごろしたりリラックスしてから早めに寝ました。 入試で一番苦労したことは何ですか。 Aさん 入試だと思わないようにすることです。 【試験中】 試験会場の響きとピアノの状態を教えてください。 Aさん A会場…中学校の教室くらいの広さで、ホールほどは響きませんが調子に乗ってペダルを踏みすぎるとすぐにごります!←調子に乗った人 ピアノは軽めに感じました。椅子はトムソン椅子で、多少ガタガタしますが、そんなには気にならなかったです。 B会場…とても響く会場です。速いパッセージはもごもごしやすいのでハキハキ喋るつもりで指を動かしたほうが良いと思いました。 ピアノ自体はとても綺麗な音です。 余談ですが、学校は全く寒くないです。ストーブや暖房がとても効いています。練習室は、マスクをしていると酸欠になりそうなくらい暑かったです。会場は心地よい温度です。 面接で何をきかれましたか。 Aさん 面接は二部屋で並行で実施しているようでした。 受験番号を言って入室し、失礼しますと言って着席しました。 女性の先生が一人、男性の先生が二人でした。 うなずきながら笑顔で聞いてくれました。 各先生から2問ずつ質問されました。 1.藝高を目指すようになったのはいつですか。きっかけは何ですか。 2.どんな音楽家になりたいですか。 3.ソルフェージュ、楽典はいつごろから勉強をはじめましたか。また、それらについてどう思っていますか。 4.先程学科試験がありましたが、それらの教科はこれからどのように勉強していきたいですか。 5.自宅からどのように通いますか。 6.入学できることになったら元気に通えますか。 持っていくと良いものはありますか。 Aさん 充電式電気手ぶくろ、カイロ、飲み物。 【今後について】 藝高でどんな勉強がしたいですか。 Aさん 自分の好きなこと、得意なことをもっと掘り下げて学んでみたいです。 将来の夢は何ですか。 Aさん 自分の作った曲を発表してみたいです! 藝高を目指す後輩にアドバイスをお願いします。 Aさん 受験で忙しくなる前にオーケストラなどの生演奏を聞く機会をもっと沢山設ければよかったなと思いました。 藝高行くんだ! という気持ちもとても大切ですが、それ以上に音楽を楽しむことが大切かなと思います。 お忙しい中、たくさんの質問に答えてくださってありがとうございました。 (ひとりごと。来年は7年ぶりに藝高受験生がいない年になりそうです。)
《佐藤卓史デビュー20周年企画》全音ピアノピース毎日演奏チャレンジ 2023年元旦より、毎日一曲ずつ頑張って更新しています! 良く知ってるあの曲や、今となってはあまり演奏されない曲など、 いつものレッスン室からご紹介していますので、是非、YouTubeのチャンネル登録をよろしくお願いいたします。 登録はこちら (もう少しで登録者数1000人!)
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